ISMS, プライバシーマークおよび商品に関する質問と回答をご紹介

個人情報の入った書類を送付する際の手段

2007/09/03 (2018/07/13)

この記事は、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

質問です。

個人情報の入った書類を送付する際の手段ですが
 ・郵便局の配達記録
 ・ヤマトなどの宅配便
はどちらも手渡しです。

宅配便ではあまりよろしくないということはありますか。

個人情報保護法、Pマークの観点から言いますと問題はありません。
ただし、審査時に以下のような質問をされる可能性がありますので、ご注意下さい。

(1) 宅配便で送る旨、送付先に了解を得ていますか?
⇒ 了解は得ています。
(※注)
紛失などが起きた場合を考慮し、送付先の了解は得るようにして下さい。また、可能であれば何か記録を残すと、もっと良いですね。

(2) その宅配業者は信頼のできる業者ですか?
⇒ ヤマトなど大手の宅配業者を使用しており、問題は無いと判断しております。
(※注)
素性の分からない業者には依頼しないようにして下さい。

(3) なぜ、郵便局の配達記録などを利用して送付しないのですか?
⇒ 安全を考えて、原則、郵便局の配達記録などを利用して送付しております。
  なお、受取人から不在などの理由により、宅急便での送付を要望される場合、宅配便で送る場合もあります。
  宅配便で送付する場合は送付先にはその旨、了解を得るようにしております。
(※注)
各企業でのセキュリティレベルの問題でもあります。
信頼のできる宅配便であれば、問題は無いかと思います。
しかし、PMの審査員は、個人情報保護について、規格(JISQ15001)以上のベストプラクティス(=Best Practice)を求める傾向があります。
回答時には注意するようにして下さい。

(※注)
稀なケースですけど、
”社員が手渡しで、個人情報を相手に渡す場合は、移動中などの安全を考え、鍵の掛かるジュラルミンケースを使用して下さい。御社ならできるでしょう、やった方がいいですよね”
と言ったPM審査員もいたそうです。
企業規模などを考慮していない杓子定規な発言だと、私は思います。ちょっと非常識ですね。

なお、被審査側では、
”そこまではしておりませんが、弊社では、肌身離さず持つようにしており、また、社員の認識・レベルも高いですので、紛失、盗難などは無く、これで十分だと判断しております。”
と回答し、審査員に納得してもらったそうです。

参考までに…

《経済産業省でのQ&A》
(No.76)
Q:宅配業者を使って、個人データが記録されているディスクを届けてもらおうと思っていますが、注意すべき点はありますか。

A:郵便の場合も基本的には同様ですが、宅配業者は物流の効率化を目的としたサービスを行う事業者であることを認識する必要があります。
つまり、宅配業者は、通常は配達物の中の情報が個人情報に該当するかどうかを認識することなく個人情報を取り扱っていますので、事業の用に供しているとは認められず、義務規定が適用されないものと解されます(ガイドライン6頁【事業の用に供しないため特定の個人の数に算入しない事例】参照)。
したがって、宅配業者を利用する場合にはそのような認識のもと利用するか、又は、個人情報の内容によっては、宅配にあたって特約を定めることができるような業者を選ぶことが必要な場合もありえます。(2004.10.19/2005.1.14修正)