ISO9001:2015要求事項体系図
■附属書SL の採用
ISO 9001:2015 は、従来のものと比較すると、その技術的内容が大幅に変更されています。
但し、規格の目的、タイトル、適用範囲などは、2000 年版及び2008 年版からは変更されておらず、その位置づけは厳密に継承しています。
ISO では、2006 年から2011 年にかけて、ISO 9001、ISO 14001、ISO/IEC 27001 などのISO マネジメントシステム規格(ISO MSS)の整合性を確保するための議論が行われ、ISO/TMB(技術管理評議会)/TAG13-JTCG(合同技術調整グループ:以下、JTCG)において、MSS 上位構造(HLS)、MSS 共通テキスト(要求事項)及び共通用語・定義が開発されました。
これは、「ISO/IEC 専門業務用指針第 1 部統合版 ISO 補足指針」「附属書SL(規定)マネジメントシステム規格の提案」として発行され、今後全てのMSS はこれを適用することになります。
■PDCA サイクル
ISO9001:2015 には、以下の3 つのPDCA サイクルを元に構成されています。
A) 組織が自律的に製品及びサービスを通じて顧客に価値を提供することで持続的成功を目指すため
B) 製品及びサービスに関連する品質マネジメントシステム構築
C) 製品及びサービスを顧客に提供するため
A)及びB)のほとんどは附属書SL の要求事項から、C)は製品及びサービスの提供に関わるという品質マネジメントの固有の性質から規定しています。
A)は、組織が内部、外部の課題を把握し、利害関係者のニーズなどを考慮して、経営目的の達成のためにどのような製品及びサービスを提供し、顧客に価値をもたらすかという、持続的成功を目指して組織が進むべき方向を自律的に決めるPDCA サイクルです。
B)は、A)の組織の方針を反映しながら品質マネジメントシステムを構築するPDCAサイクルです。
このサイクルは、箇条 6 から箇条10 により構成されます。
C)は、箇条 8 の製品及びサービス提供に関連する要求事項に基づくPDCA サイクルです。